ママの手料理 Ⅱ

飴玉と隠れんぼ

翌朝、俺は琥珀のベッドの上で幸せな朝を迎えた。


琥珀は朝早くから紫苑ちゃんの件で外出してしまっていて、そんな中でも俺の事を寝かせていてくれたところに親切心を感じる。


昨晩は泣いたり笑ったりと感情の起伏が激しかったせいか、多少の疲れを残したまま1階に降りると、湊と航海と銀子ちゃんが健康的な朝ご飯を食べながら話し込んでいた。



「0823番さんが3つ目の飴を舐めるのを止めたのは、やはり紫苑さんの身体に何か悪影響が出る事を知っていて、それを止めようとしたからでしょうか」


3つ目のヨーグルトを口にしながら航海が質問を投げかけ、


「だろうな。飴の成分は琥珀が今解析してるが、多分今までの記憶を無くす成分が入ってるとみて間違いない」


「それを止めようとしたせいで、0823番が染井佳乃にお仕置きとして髪飾りを付けられたのなら合点がいくね」


グラノーラを食べながら、銀子ちゃんと湊が答える。


(飴って何だろ?)


「おはよー。飴ってどういう事?」


挨拶をしながら彼らの話に割り込むと、


「あ、おはようございます。昨日ちゃんと帰ってきたんですね。良かったです」


航海が顔を上げて挨拶を返してくれて、銀子ちゃんは軽く手を挙げてくれた。
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