LOVEBAD~ヤクザの息子の副社長と最低最悪の身籠り婚~
私の目から涙が溢れそうになる瞬間。
テーブルの上のスマホが鳴り出した。
私は体を起こすと、ベッドから降りる。
第六感?なのか、その電話の相手が誰か分かる。
スマホを手にすると、画面には知らない携帯番号。
「はい」
『一枝君から、番号聞いた』
予想通りの相手からの、その電話。
「永倉副社長、私、今日、病院に行って来て」
『うん。それ、聞きたかった。
どうだった?』
「妊娠していて…六週目で。
もう心臓も動いていて」
『そっか。分かった』
そう言った永倉副社長の声が、それを喜んでくれているのが分かって。
それが、とても嬉しかった。
「後、今日私があの婚姻届を出して来ました」
『そっか。ありがとう』
「はい…」
なんだか、ちょっと照れ臭い。
ありがとう、って言われて。
『あのさ。もしなんかあったら、また電話して来て。
まあ、何もないだろうけど』
「そうですね…」
私とこの人はもう夫婦だけど、
何かなければ気楽に電話も出来ない関係。
『一枝君が言ってたけど、日曜日の昼にうちに引っ越して来るんでしょ?
一枝君から聞いてると思うけど、俺、明日の金曜日から九州に出張で。
月曜の夕方くらいに、会社にそのまま戻る予定だから。
週末居ないけど、まあ、合鍵のカードキーは一枝君から貰って。
適当にしといて』
「はい。
でも、私と急に一緒にそうやって暮らすって、嫌じゃないんですか?
私の事嫌いでしょ?」
結婚したけど、本当にそうやって私と生活を共にするなんて。
『どうだろ?
お前なんか大嫌いって思ってんだけど。
一緒に暮らすのが嫌なのかはよく分かんない。
まあ、嫌だと思ったら、俺帰らないから』
「帰らない…」
それは、その…。
『俺、女の子のお友達多いから』
そういう意味なのか。
「べつに無理して帰って来なくていいですよ?
そのお友達と仲良くしてくれたら」
『まあ、その辺り適当にするかな。
電話、そろそろ切るけど?』
なんだか、イラッとしたので、そのままブチッと電話をこっちから切ってやった。
本当に、永倉副社長なんて大嫌い!