LOVEBAD~ヤクザの息子の副社長と最低最悪の身籠り婚~
また恋をした

今日は日曜日。


朝から天気の良い今日は、正午の今とても暖かい。


私の実家の近くを、最寄り駅から永倉副社長と二人歩いている。


今日、私の実家に二人で結婚の挨拶に行く。



「半袖で来れば良かったかな」


そう口にして、隣を見ると永倉副社長はスーツで、私よりも暑そう。


「今日、ちょっと暑いかもね」


その顔は、暑さなんて感じさせないくらいに爽やかだけど。


「えっと…三咲」


「なに?」


そう向けられる笑顔に、胸がキュンとする。


夕べ、いい加減に敬語は辞めて、呼び方も名前で呼んで欲しいと、
永倉副社長改め、三咲に言われた。


「なにもないのだけど。
ちょっと練習。
まだ、三咲って呼ぶ事に慣れない」


「まあ、急にそうだよね」


なんだか、少し前迄、私達はお互いあれ程にいがみ合っていたのに。


最近は、そんな事はなくて。


あの、キスをした夜を境に、
私と三咲の結婚生活はわりと上手く行っている。


「手、繋ごう」


そう言って、三咲は私の手を握るのだけど。


凄い、胸がドキドキとする。


こうやって、今も手を繋いでいるけど、あのキス以来、特に三咲はキスもそれ以上の事もして来ない。


まあ、それ以上の事は、私が妊娠しているからしないのかもしれないけど。


それに、今も変わらず寝室は別で。


なんだか、お互い嫌い同士だった時よりも、今の三咲との関係がよく分からない。


多分、今は三咲は私の事を嫌いではなさそうだけど…。


そう思い、三咲の顔を見ると。



「なに?ジーと見て来て。
スッゴイ嫌なんだけど」


本当に嫌そうに、顔を歪めていて。


もしかしたら、まだ私はこの人に嫌われているのだろうか?と、分からない。


なんだかんだ、あの初日に成瀬遥さんの家に外泊しただけで、
その後は三咲は今週ずっと家に帰って来てくれたし。


得意とは言えない私の料理も、
美味しいって言って、毎夜食べてくれたし…。


この人が、今は私をどう思っているのか、本当に分からない。


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