裸足のシンデレラは御曹司を待っている
20
直哉の手が私の髪を絡ませるように梳きいれ優しく撫でる。
それが心地よくて、直哉の肩に寄りそうように頭を寄せた。

まわりの人たちに助けてもらって、子育てをして不自由は感じていなかったけれど、どこか力が入っていたんだと思った。
今、直哉に甘やかされているのが、じんわりと心に染みる。

「遥香は、みんなに大切にされていたんだね」

「子供の頃からずっとココで暮らして来たから良くも悪くも知り合いが多いんですよ。小学校も中学校もみんな一緒で、高校も一番近い所だったから……」

話の間も直哉の手が私の毛先をクルクルともてあそんでいる。毛先を弄られているだけなのに落ち着かない気持ちになって顔を上げた。
直哉は何か考えている様子だったが、私の視線に気が付きニコッと微笑む。

「直哉さん、何を考えていたんですか?」

「遥香の学生服姿、可愛かったんだろうなって思っていた」

「それ、チョット変態ぽい」

直哉に揶揄うような視線を向けてアハハと笑った。

「変態って言ったな」
と、直哉は私をギュッと苦しいほどに抱きしめて笑う。

直哉の背中をタップして、「ごめん、許して」と声を上げると、きつく抱いていた腕がゆるりと解け、おでこにチュッとキスをする。
直哉の唇が、少し下がって、瞼にも、頬にも、たくさんのキスの雨が降る。
そして、唇には長いキスが落とされた。

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