裸足のシンデレラは御曹司を待っている
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晴れて澄み渡る空が広がり、遠くに白い雲が流れている。

「うわーっ、熱くなりそう」

時刻は8時55分、この自宅兼管理棟から城間別邸へ朝食を運ぶのに良い時間。ホテルから届けられたバスケットを持ってお隣へと向かう。
お隣とは言っても、都会の窓を開けたらすぐ隣とはわけが違う。月桃やアダン、ハイビスカス、ヤシの木などちょっとジャングルちっくな植栽で囲まれ、500坪の敷地を有する城間別邸はぐるりと回らないと入れない。できれば愛車の軽自動車で行きたいぐらいだ。
 
花ブロックを過ぎて芝生がきれいに敷かれた庭に足を踏み入れる。広い芝生の庭、左手にあるプライベートプールが、今日もキラキラ反射している。

あ、葉っぱが落ちてる。

風で運ばれた葉が、プールの水面に浮いていた。
それを横目に石畳を踏みしめ玄関のチャイムを押した。とはいえガラス張りの家なので、直哉がバスローブ姿で近づいてくるのが見える。
ガチャとドアが開いた。

「おはようございます。朝食をお持ちしました」

「おはよう。ありがとう、楽しみにしていたよ」

ひゃー、プールに入る予定なのか下はハーフパンツを履いているけど上はバスローブを羽織ったままで、前がはだけて胸元からきれいに割れている腹筋までまる見え。
なんだか、朝からごちそうさまです。

なんて、邪な視線をサトラレないように、手にしたバスケットを掲げた。

「昨日はごちそうさまでした。朝食、セッティングさせていただきますね」

「ん、頼むね」
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