裸足のシンデレラは御曹司を待っている
リビング横にあるアイランドキッチンに入り、お皿を取り出す。
そこにバスケットから取り出した、ベーコンと卵のクロワッサンサンドや色鮮やかな季節の野菜サラダ、あぐー豚のソーセージなどの食材をきれいに盛り付けた。

「どこで、お召し上がりになられますか?」

「ダイニングテーブルでいいよ。ここからでも景色に遜色ない」

柱で屋根を支えている設計で庭に面した壁の部分がガラス張りの開放感。
普段の生活なら落ち着かないかもしれないが、別荘ならではの贅沢な作りで、非日常が演出されている。

直哉がダイニングの椅子を引き腰を下ろした。
ダイニングテーブルの上に盛り付けたプレートを並べていると、直哉からの視線を感じ顔を上げた。目が合うとニコッと笑う。

なんで、見るんだろ。緊張しちゃうよ。
綺麗な外の景色でも見ていればいいのに、なんだか恥ずかしいからコッチ見ないで。

心の叫びとは裏腹にポーカーフェイスを張り付けて、ニコリと微笑み返し。何食わぬ顔でコーヒーメーカーをセット。
最後にポットに入っていたスープをカップに移し入れ、直哉の前にコトリと置いた。

「お待たせいたしました。お食事をされている間に、リネンの交換とバスルームの清掃をさせていただいてよろしいですか」

「なんだ、安里さんも一緒に食べるのかと思っていたんだけど」

ホテルの従業員と朝ごはんって、おかしいでしょ!って言いたいのに言えないし、ましてや眉尻を下げて、捨てられた子犬みたいに言われると……ヨワイ。
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