裸足のシンデレラは御曹司を待っている
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「ママ、ばいばい」
「転ばないようにね」

保育所の入り口で、真哉に手を振った。
昨日の怪我を心配していたのに、真哉はいつも通りに元気いっぱいで、今日はお絵描きをするんだと張り切っている。
保育所の先生は真哉の元気な様子に胸をなでおろし笑顔で迎えてくれた。先生に「よろしくお願いします」と言って、真哉にもう一度手を振った。

車を走らせ提携ホテルで朝食を受け取り『城間別邸』へ向かう。

いろいろあって、なんだか緊張してしまう。
まずは、昨日、わざわざお見舞いを頂いたお礼を言って、それと出来れば、お出かけのプランを立てて、記憶の手掛かりをつかみたい。

頭の中でグルグルとシミュレーションをしながら、芝生の上に敷かれた石畳を踏みしめる。
顔を上げれば、母屋の大きなガラスの向こう、リビングのソファーにゆったりと座っている直哉が見えた。

白いVネックのカットソーにデニムのパンツ姿は、5年前に始めて会った時と同じようなスタイル。
あの時に戻ったようで、トクンと胸が高鳴った。

玄関のチャイムを押そうとしたところで扉が開く。
「おはよう」と直哉の艶のある低めの声が耳に響き、切れ長の瞳が弧を描く。

「おはようございます。朝食お持ちいたしました。それと、昨日はお気遣い頂きありがとうございました。おかげさまで、息子は元気に保育所に行きました。今日は、ご案内できますよ」
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