夢みる少女は、寂しがり詐欺師に騙されない。

「おじゃましまーす
はー…この部屋、涼しいね
天国!」



「天国!…じゃねーよ
オマエも食えよ!
オレ、もぉ死にそう」



そう言っても

死なないんだよね



わかってる



「ね!なかなか当たらないでしょ」



「いや、次は当たるだろ
これだけ買えば…喰えば…」



ウサギの部屋は

お菓子のダンボールが5箱積み上げられてた



夏休み終わるまでに食べ終わるかな?

や、当たるかな?



「あ、言ってなかったっけ?
私、このお菓子食べれないんだ
甘すぎて嫌いなの
いつも弟に食べてもらってた」



「は?オマエなに言ってんの?
ふざけんな!」



「うん、ふざけてない
食べれないんだ」



私の夢をバカにした罰だ



「はー?
オマエ、ムカつくな
イライラして熱くなるわ!」



「冷房、もっと温度下げる?」



「それより、オマエ
なんだよその格好…」



「あ…」



「あ…じゃねーよ
そんな格好で電車乗ってきたのかよ?」



「たった2駅だしいいかな…って…」



家着だった



Tシャツにハーフパンツ(弟の)



鏡も見ないで来たけど

顔大丈夫かな?



大丈夫って何が?



「脚…出し過ぎだし!」



ウサギに言われて

今更恥ずかしくなって膝を抱えた



「それに白いTシャツ着る時は気にしろよな!
オマエ女だろ!」



「え、あ、ごめん
弟のTシャツだってわかった?」



「そんなの誰のでもいいけど…
見えてるから…」



「え?」



「下着、透けて見えてる」



「え!?」



また恥ずかしくなって

もっと膝を抱えた



「べ、別にオレは気にしないけど
それで公共機関使うな!」



目が腐る!

逆セクハラ!



そこまで言わないのは

せめてものウサギの優しさだと思おう



「はい、スミマセン
今後、気を付けます」



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