仕方なく結婚したはずなのに貴方を愛してしまったので離婚しようと思います。
身体を横にごろんと向けると玲司が穂乃果を抱き寄せた。抱きしめてほしいと思っていたことに気づいてくれたのだろうか。嬉しくて穂乃果は玲司の胸に頬を擦り寄せた。
抱き合ったま唇を触れさせ程度のキスをくり返し、足を絡めて隙間をなくす。玲司は穂乃果の髪を幸せそうな笑みを浮かべながら撫でた。
「穂乃果」
「はい」
「愛してるよ」
胸が張り裂けそうだ。
「私も、玲司さんを愛してます」
ぎゅうっと抱き締められる。穂乃果が一番安心できる場所。玲司の腕の中で穂乃果は今日も冷めない熱に抱きしめられながらそっと瞳を閉じた。