仕方なく結婚したはずなのに貴方を愛してしまったので離婚しようと思います。


「子供は欲しいけど合意のもとじゃないとね」
「合意って……」


 こんな結婚に合意もあったもんじゃないと思ったけれど口にはしない。
 玲司は穂乃果のお腹と手を綺麗に拭ってくれ、水まで用意してくれた。世の中の夫婦っていうのは事後はこんな感じなのだろうか。ベットの上で布団にくるまり座ってぼーっと水を飲む穂乃果を玲司はぎゅっと後ろから抱きしめてきた。


「な、なんですか?」
「身体は大丈夫かい?」
「まぁ、別に」


 嘘だ。本当はなんだかお腹の中が少し痛い。足も疲れているし。


「これからどんどん穂乃果の身体を僕色に染めさせてもらうからね」
「……そうですか」
「今日はこのまま抱き合って眠ろう」


 飲んでいた水を取られそのままそっとベットに倒された。くるまっていた布団の中に玲司は入ってきて穂乃果を優しく包み込むように抱きしめる。熱を持った肌が密着し心臓が、心がザワザワしてきた。

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