仕方なく結婚したはずなのに貴方を愛してしまったので離婚しようと思います。

 パジャマを着た後にタイミングよくガチャリとドアの開く音がした。


「穂乃果。起きたか、具合はどうかな?」


 イラッとする。具合はどうかなって、人の処女奪っておきながら。


「どうもありません」
「本当か?」


 玲司は穂乃果の額に手を当て「熱い気がするんだけどな」としかめっつらを見せた。


「体温計をもってきたから熱を計ってみなさい」
「熱なんてないですよ」
「僕が心配だから、ちゃんと計りなさい」


 しぶしぶ熱を測ったら三十八度もあった。熱なんて何年ぶりだろう、思い出せないほど大昔に出したきりで凄く久しぶりの熱だ。


「熱、ありました」
「やっぱり。穂乃果の身体が少し熱いような気がしたんだよ。裸のまま寝てしまったのがいけなかったかな、頬もずっと赤いし。今日はゆっくり寝ていなさい」
「いえ、このくらいの熱どうってことありません」
「駄目だ。これ以上あがったら大変だろう。今日はゆっくり寝ていること、いいね?」


 起き上がろうとしたが肩を押し戻され穂乃果はまたベットに寝転んでしまった。

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