仕方なく結婚したはずなのに貴方を愛してしまったので離婚しようと思います。


(つ、疲れているのよ……そう、疲れてるだけ)


 何度も何度もそう心の中で唱えたけれど、なかなか落ち着かないザワザワした気持ちに気づかないふりをした。


 気づかないふりをして今日も穂乃果は玲司の腕の中で仕方なく眠るのだ。


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