天才脳外科医はママになった政略妻に2度目の愛を誓う
「よーしよし。大丈夫ですよ」

 後ろから来た啓介さんがサトさんの手から乃愛を抱き上げた。

「どうした? 乃愛、心配ないぞ」

 乃愛は啓介さんの声が好きらしい。啓介さんがなだめる声に耳を傾けるように泣き声が小さくなっていく。

「よし、いい子だ」

 再び瞼を閉じた乃愛にサトさんが手を伸ばす。

「後は大丈夫ですよ。おふたりは食事を済ませてください」

 サトさんの腕の中を覗くと、乃愛はまた眠りについていた。

「今夜は私が乃愛ちゃまと一緒に寝ますから」

 サトさんはにっこりとうなずく。私になにかを訴えるように。

 昨日サトさんに言われたのだ。

『お嬢様、人生にはここぞというときがあります。時を逃さずしっかりと楔を打っておかないといけませんよ。今は啓介さんとの時間を大切に』

 言葉の意味を考えながらサトさんにお願いする。

「じゃあ、お願いね」

「はい」

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