天才脳外科医はママになった政略妻に2度目の愛を誓う
 彼のあまりにつらそうな様子に打ちのめされた私は、自分の気持ちだけではどうにもならないとのだと思った。

 私たちは今度こそもう終わる。

 だから、啓介さんは告白したのだ。

 いつだったか私を守るために、真実を言えないのだと啓介さんは言っていた。

 知ったからには一緒にいられないんでしょう?

 私はありったけの力を振り絞り、微笑みを顔に浮かべる。啓介さんに心配をかけないように。

 大丈夫よ、啓介さん。私はあなたの言う通りにする。

「離婚届は私が責任を持って出しておくわ。だから、心配しないで」

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