天才脳外科医はママになった政略妻に2度目の愛を誓う
現場から離れて久しい母と、専門的な知識に乏しい私は、足りない分を埋めるために、こういった社交活動を積極的に行っている。
私はそれほど社交的ではないから大変ではあるが、井の中の蛙にならないよう、がんばらなきゃいけない。
「そういえば、島津の奥様、ご実家のある京都に行ってしまったみたいね」
突然出てきた名前にハッとして心臓が早打ちしたが、気取られないよう平静を装う。
アイスコーヒーを出した後はお客様の相手を母に任せ、私は自分の席に戻った。
デスクと応接セットとはほんの二メートルほどしか離れていないから、話は聞こえる。お客様の続く言葉が気になり、耳を澄ます。
「あら、そうなんですか。もう、すっかりお付き合いがなくて」
母が言ったとおり、この二年まったく島津家とは交流がない。
お客様がわだかまりもなく島津の名前を口にする理由は、私たちは表面上、円満離婚となっているからだ。
表向きでは、啓介さんがアメリカ行きを選んだからとなっている。
わざわざ自分から言わなくても世間的に政略結婚だと知られているので、離婚もさほどの驚きもなく受け入れられたようだった。
彼は実際に渡米した。
風の噂で活躍していると聞こえてくるが、詳しくは知らない。
私はそれほど社交的ではないから大変ではあるが、井の中の蛙にならないよう、がんばらなきゃいけない。
「そういえば、島津の奥様、ご実家のある京都に行ってしまったみたいね」
突然出てきた名前にハッとして心臓が早打ちしたが、気取られないよう平静を装う。
アイスコーヒーを出した後はお客様の相手を母に任せ、私は自分の席に戻った。
デスクと応接セットとはほんの二メートルほどしか離れていないから、話は聞こえる。お客様の続く言葉が気になり、耳を澄ます。
「あら、そうなんですか。もう、すっかりお付き合いがなくて」
母が言ったとおり、この二年まったく島津家とは交流がない。
お客様がわだかまりもなく島津の名前を口にする理由は、私たちは表面上、円満離婚となっているからだ。
表向きでは、啓介さんがアメリカ行きを選んだからとなっている。
わざわざ自分から言わなくても世間的に政略結婚だと知られているので、離婚もさほどの驚きもなく受け入れられたようだった。
彼は実際に渡米した。
風の噂で活躍していると聞こえてくるが、詳しくは知らない。