天才脳外科医はママになった政略妻に2度目の愛を誓う
 青扇学園は全国から資産家の子息や令嬢が集まってきて、その中でも幼稚園から高校までずっと通う学生は〝純正〟と呼ばれたりする。彼や須王専務がそうだ。

 ちなみに私は中学校だけ青扇に通ったが、馴染めずに辞めたという脱落組である。

 純正である彼とは住む世界も環境も違う。私が終ぞ乗り越えられなかった高い壁の向こう側。姿は見えるけれど決して手が届かない人々。

 お茶に手を伸ばし、のどを潤しながら、しみじみと思う。

 啓介さんは、お城に住む王子様か。

「俺は――」

 考え込んでいると、ふいに啓介さんが口を開いた。

「この話を受けようと思う」

 いきなりの発言に心臓がトクンと跳ねる。

 思わず「冗談ですよね?」と聞いた。

「ん? 断ったほうがいいの?」

「い、いえ。ただ――断られるとばかり思っていたので」

「そうなの?」

 啓介さんは意外そうに首を傾けるが、普通に考えてありえない。

「あなたのように素敵な方は、我が家と縁を結ばなくても、引く手数多だと思いますし」

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