天才脳外科医はママになった政略妻に2度目の愛を誓う
 莉子は少しくすんだ淡いピンク色のブラウスに白いスカートを履いていた。彼女は目が合うと少しはにかんだように睫毛を揺らし、にっこりと微笑んだ。

 カップを置くときに繁々と見た。細いまつ毛、横に流した髪、つるんとした額に、目尻の下がったかわいらしい目。ぷっくりとした小さい唇。

 随分かわいい子だなと思った。

 背が低いわけでもないのに子どものように見える。

 彼女が部屋を出て行くまであんまりジッと見ていたものだから燎が呆れて笑った。

『啓介さんが女の子に興味を持つなんて珍しいですね。そんなに気になりますか?』

『随分幼く見えるが、社会人なのか?』

『学生ですよ。秘書課のインターンでね』

 なるほど、初々しさも学生ならわかる。聞けば中学だけとはいえ青扇学園出身で父親は医師だという。身元も保証されているから、秘書課にいるんだろうと納得もした。

『山上総合病院って知ってます? そこの娘ですよ』

 彼女の親が跡取りを捜していると知ったのは、その後一年近く経ってからだ。

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