天才脳外科医はママになった政略妻に2度目の愛を誓う
病院の建築。確かに現役の医者である啓介さんの意見は参考になるだろう。
じゃあ、島津家の企みで病院を乗っ取ろうとしたっていうのも全部。私は鈴本小鶴に騙されたの?
「アメリカにも行きたいしな」
「アメリカ?」
「ああ、結婚しなければ行くつもりでいた」
再開発が理由じゃなくて、この病院を欲しくないなら、どうして?
どうして私と結婚したの?
「そういうわけだから、この席はすぐにでも明け渡そう」
立ち上がり、自分の席に行った彼は電話を取り、ボタンを押した、
「ああ、院長。俺はや――」
突進して、電話を切った。
「それでも医者なの? この病院がどうなってもいいの? 患者さんはどうするのよ!」
大きく溜め息をついた彼は、私を冷ややかに見下ろす。
「莉子、俺は医者である前にひとりの人間だ。妻に不貞をはたらかれてそれでも平気な顔でいられるほど人ができていないんでね」
「で、でも」
「でもなんだ。どこか間違っているか?」
ぐうの音もでない。
じゃあ、島津家の企みで病院を乗っ取ろうとしたっていうのも全部。私は鈴本小鶴に騙されたの?
「アメリカにも行きたいしな」
「アメリカ?」
「ああ、結婚しなければ行くつもりでいた」
再開発が理由じゃなくて、この病院を欲しくないなら、どうして?
どうして私と結婚したの?
「そういうわけだから、この席はすぐにでも明け渡そう」
立ち上がり、自分の席に行った彼は電話を取り、ボタンを押した、
「ああ、院長。俺はや――」
突進して、電話を切った。
「それでも医者なの? この病院がどうなってもいいの? 患者さんはどうするのよ!」
大きく溜め息をついた彼は、私を冷ややかに見下ろす。
「莉子、俺は医者である前にひとりの人間だ。妻に不貞をはたらかれてそれでも平気な顔でいられるほど人ができていないんでね」
「で、でも」
「でもなんだ。どこか間違っているか?」
ぐうの音もでない。