溺愛銃弾 ~ハニーメタル・バレット~
変なヤキモチ妬かれたりはしょっちゅうだけど、訊かれたのは初めてな気もする。

欲しいか欲しくないかで言えばよく分からない、正直なところ。想像しようにもまるで未知との遭遇だし。

でも陶史郎さんと自分を繋ぐ赤い糸。みたいなものなのかな。だったら。

「来てくれたらちゃんと母親になりたい。・・・とは思う」

「俺はね」

真剣に答えたつもりだったのに、しおらしく返った声音はちょっと芝居がかって聞こえた。

「尻尾が生えてようと背ビレがついてようと、お前が生んでくれる子なら目に入れて可愛がる自信しかないんだよ」

・・・いきなり“俺”モード。なんのスイッチ入ったのかな。思っても、ここは大人しく頷く。

「でも樹を独り占めされたら、嫉妬で狂うかもしれないね」
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