溺愛銃弾 ~ハニーメタル・バレット~
駄々っ子になる時は仕事で疲れてるとか、それなりの理由があるのも一緒に暮らすうちに肌で分かるようになった。気持ちを言葉にするのは得意じゃない分、胸元にもっと顔をすり寄せた。

「ずっと一番じゃないと殺すよ?」

突きつけられる見えない銃口。

陶史郎さんは分かりやすくていい。どうしたら自分を好きでいてもらえるか、どうすればいいか、迷わないでいられる。

「・・・うん。いつでも殺していいよ」

俺だけ愛して、俺のために死ぬんだよ。そう言ってくれたのは陶史郎さんだけだから、陶史郎さんの好きにすればいい。

くれるものは全部もらうし、あげられるものは全部あげる。この息が止まるまでは。
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