火の力を持つ国王様は愛も熱い


エドの自室へ戻ると、エドは扉に寄りかかって腕を組んで立っていた。

「エマ、スケジュールの確認だけなのに遅いじゃないか」

「ごめんなさい、リリィ姫様の事でちょっと」

「解決出来たのか?」

「ローレンス様がリリィ姫様に寄り添ってあげてるから大丈夫かと…」

「そうか、俺が介入して解決出来る事があればすぐ言えよ?」

「うんっ」

エドは優しく微笑んでそう言うと私の頭をポンと撫で、肩を抱いてエドの自室へと入った。

「俺はシャワーは済ませてあるからエマもシャワー済ませてこい」

「ありがとうございます」

「…下着は今日渡したやつな」

「……はい」

耳元でそう囁かれるとドキッとする。

エドとの甘い雰囲気まだまだ緊張しちゃう…慣れる事なんてあるのかな?

エドを待たせてはいけないから急いでシャワーを浴びて貰った下着を身に着ける。

…変じゃないかな?

鏡で確認すると可愛いけど…おしりの部分の布面積が少なくてこれで本当に良いのか不安になる。

自分で見てるのも恥ずかしくなってきてネグリジェを着て、浴室を出た。

エドが待っているベッドルームに行くと、珍しい事にエドがベッドに座ったまま眠っている。

エドが先に眠っているなんて珍しい…

そういえば火を出すには体力の消耗が激しいって聞いた事がある。
大きな火の玉を出したり、抑えたりして見せなかったけど疲れていたのかもしれない。

それでも私が戻るまで部屋の外で待っていてくれたと思うと胸が熱くなる。

私はエドのベッドに入り、座っている状態のエドを横に寝かせてあげることにした。

「…エド、起こしてごめんね…横になって寝よ?」

流石に逞しい体のエドを私の力では動かせなくて、トントンの肩を叩いて横になるように促す。

「……あぁ…Zzz」

エドは一瞬起きたみたいで、寝ぼけて私に抱き着いたまま横になった。

横にするだけのつもりだったけど、いっか。

私はエドの頬にキスをして眠りについた。

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