火の力を持つ国王様は愛も熱い
決別



次の日。

「嘘だろ……」

「ン……Zzz…エド、おはよう……どうしたの?」

エドの声で目が覚める。

「何でもう朝なんだ!?」

「え?」

「昨日エマがシャワーから出てくるの待っていたはず…エマの事待ってる間に寝るなんてありえねぇ…」

エドはそう言って枕に顔を埋める。
そんな項垂れているエドの背中をさすった。

「ここのところ色んな事続いてて忙しかったし、昨日は火の力も使ってお疲れだったんだよ」

「俺の疲れはエマで癒してるから今日仕事頑張れねぇ」

「えぇっ…そんな事言わないで」

エドは枕から顔を上げると私を抱き寄せてキスをする。

「…もう一回」

コンコンッ


もう一度キスをしようとすると、扉をノックする音が聞こえてエドはため息をつきながら起き上がり、扉を開けて応対する。

「…こんな早朝に何だ?」

「国王陛下!早朝から大変失礼致します!寝たきりになられていた薬師が回復し先ほどお目覚めになられました」

「それは誠か!?急ぎ支度をして向かう」

アル君のおじいさんが!?

エドは扉を閉めるとすぐに着替えを始めるのを手伝いに回る。

「良い知らせが来てよかった!話が出来ると良いが…エマも一緒に行くぞ、俺のはいいから自分の支度をしてこい」

「はい!」

エドの自室に予備のメイド服を置かせて貰っていて、私は急いでそれに着替える。

エドも簡単に着られる服を急いで着ていて、私達は急いでアル君のおじいさんを治療している部屋へと向かった。

< 108 / 162 >

この作品をシェア

pagetop