あなたを憎んでいる…でも、どうしようもなく愛してる

リビングのドアを開けると、正面には悠斗さんのご両親が座っていた。
とても美しいお義母さんと、素敵なお義父さんだ。
悠斗さんが眉目秀麗なのは、ご両親ゆずりのようだ。
その横には、可愛い女性が座っている。妹だろうか。


次の瞬間、ご両親が立ち上がった。

先に声を出したのはお義母さんだった。

「まぁまぁ…桜さんでしょ!会えてうれしいわぁ。」

すると、お義母さんに続くようにお義父さんも口を開いた。

「桜さん、お会いするのを楽しみにしていたよ。」

さらに驚いたのは、妹と思われる女性だ。
ニコニコと笑いながら何かを取り出した。

“ パーン!! ”

大きな音がして、思わず耳を押さえてしまったが、どうやらパーティーなどで使うクラッカーらしい。

「お兄ちゃん!おめでとう!」

何が起こっているのだろう。
悠斗さんのご家族がこんなにも明るいとは想像もしていなかった。

厳格なご両親を想像していたのだ。

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