【完結】恋の恋愛包囲網〜刑事編〜

麻衣SIDE➂

【麻衣SIDE】



「着いたな、ここか」

「うわっ、やっぱ広いね!」

 翌日の午前中、私と一織は、新しく出来たアウトレットモールへとやってきた。
 一織が車を運転してくれたから、これならたくさん買っても安心だなと思ってしまったのは、一織には内緒なんだけど。
 
「広いな。これ一日で回れるか?」

「ねぇ、回れるかな?」

 広すぎて大変だ、これは。 マップ見ながら歩かないと、何がどこにあるか分かりそうもない。
 
「とりあえず、マップもらってくるか」

「そうだね」

 私たちは入口に置いてあるマップを手に、アウトレット内をぐるっと回ることにした。

「一織、新しいネクタイ買えば?」

「ネクタイ?」

「うん。だって一織、いつも同じようなデザインじゃん」

 一織のするネクタイは、いつも同じようなばかりだから、たまには違うものもいいんじゃないかと思った。

「これなんかどう?一織」

「これ? 俺はあんま派手じゃなくていいんだけど」

 と言いつつ、なんだかいい顔をしていたような気がする。

「全然派手じゃないよ、これは。似合ってるよ」

「そうか?」
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