【完結】恋の恋愛包囲網〜刑事編〜

一織SIDE⑤

【一織SIDE】


  
「来栖さん、該当するであろう人物を見つけました!」

「何!? 本当か!?」

 タイムリミットまであと十五分を過ぎた頃、ようやく美由紀であろう人物を特定した。

「はい。美由紀は、この女で間違いないです! 前科がありました、結婚詐欺で」

「結婚詐欺……」

 アイツの言う通り、その美由紀って女は結婚詐欺の常習犯だった。 男性からもらった婚約指輪や貴金属を、質屋で売り払って金にしていたらしい。
 被害にあった男性は、調べただけでも五人いた。そのうちのニ人は、犯人と同じように金を持ち逃げされていたことも分かった。

「美由紀は今どこにいる?」

「分かりません! ですが防犯カメラの映像を入手しましたので、顔認証システムでヒットするかもしれないです!」

 顔認証システム……。もし前科がある人間なら、警察で情報登録をしている。
 顔認証システムを使えば、美由紀を見つけられるかもしれない。

「すぐに、この顔を顔認証システムにかけてみます」

「頼む!時間がないぞ!」

「はい」

 来栖さんの部下の小野田さんが、すぐに顔認証システムにかける。
< 41 / 54 >

この作品をシェア

pagetop