【完結】恋の恋愛包囲網〜刑事編〜


 麻薬組織には、すんなりと潜入することが出来た。 でもその組織を裏で操っている【ボス】という男はまだここには現れていない。
 仲間の一人がその【ボス】と連絡を取っている姿は見かけたが、その人物が何者なのかはまだ分かっていない。

「どうするんだよ、角田。ボスは全然現れる気配がないぞ」

「ボスがアイツらを操っていることは、間違いないんだけどな……」

 潜入捜査での俺たちは、一番下っ端だ。だから矢崎みたいにパシリとして使われている。
 アイツらにとって今の俺たちは、パシリだ。雑用係でしかない。

「ボスの名前は?」

「いや、本名も分からない。ボスとしか呼ばれていないからな」

 本名は不明、通称【ボス】。一体ボスってのは、何者なんだ……?
 どこで麻薬を手に入れてくるんだ……。売りさばくのはもちろん、入手した経路なども分からないとなると、潜入捜査に時間はもっとかかってくる。

 こんな潜入捜査、一刻も早く終わりにしたい。 そして麻衣に会いたい。
 いつも待っててくれる麻衣に、会いたい。

「ボスからの連絡手段はスマホからの電話だ。取引が行われる日時、場所、時間を電話で伝えるのがボスだ」

「それ以外の連絡は?」
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