西園寺先生は紡木さんに触れたい
5.西園寺先生は紡木さんの傍にいたい
「はーい!じゃあ5組の出し物はお化け屋敷に決まり!」


学級委員の声と共に、クラス中から歓喜の声が上がった。


紡木のクラスでは1か月半後に控えた文化祭の出し物について、ほぼ満場一致でお化け屋敷に決まったところだった。


紡木は文化祭という行事にさして興味はなく、商品の仕入れや調理がない分カフェとかよりは楽そうだなというだけでお化け屋敷に入れたが、案外同じ考えの人が多かったらしい。


いや、単純にお化け屋敷をやりたいだけなのかもしれないが、紡木は安堵のため息をついた。


そもそも就職試験に向けての面接練習も最後の追い込みが始まって文化祭どころではないんだけど…。


買出しや段ボールを調達するのも大変そうだし、ポスター作りだって向いてない。

段ボールをお化け屋敷っぽく装飾するのもアリだけど、買出し係が買ってきた服を適当に破いて絵の具で赤を血っぽく飛ばすだけの衣装作成係なら一番簡単そう。

そう思って紡木は衣装作成係に立候補した。


そしてすんなり他に立候補した2人と衣装係に任命された。



その後も割とスムーズに係は決まっていき、早速明日の放課後から作業することになった。


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