西園寺先生は紡木さんに触れたい

どうしよう、紡木さんに呆れられた。


あれだけ紡木さんにアプローチしておきながら、断り切れずに他人にあーんってされてたら、いい気しないよね。


…ましてや紡木さんは男性にかなり苦手意識を持っているのに…ぼ、僕のせいでより一層嫌いになられたらどうしよう…!!


西園寺は今にも泣きそうになりながら、紡木をじっと見つめた。


そんな2人に鈍感な由梨は気づくこともなく、「はい、先生。」と再び西園寺の口元にフォークを近づけた。


「ご、ごめんね、吉田さん。もう自分で食べられるから。」

「あ、…そ、そうですよね。」


西園寺が思い切って断りを入れると、由梨は目に見えてしゅんとしながらフォークを置いた。


準備室に一気に気まずい空気が流れると、紡木は頭をフル回転させた結果、ガタンと席を立ち上がった。


「あ、そ、そうだ〜、ワタシ、シュウショクシケン ノ コトデ タンニン ニ ヨバレテルン ダッタ〜 ハハ。」


棒読み満開でそう言うと、紡木は「じゃあ、ごゆっくり〜。」と食べかけのパンを片手に足速に準備室を去った。



私、邪魔者だよね。そうだよね。これで良かったんだよね?


そう自分に問いかけながら屋上へと駆けて行った。


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