西園寺先生は紡木さんに触れたい
「あのイケメン先生、つむちゃんに何か言い掛けてたけど大丈夫なの?」
教室の方を振り返りながらそう言う優奈の背中を紡木は「いいのいいの!」と、軽く押した。
由梨の恋を応援するって約束したから…
結局あの後西園寺先生が忙しくなっちゃってお昼も一緒にいられなくなっちゃったし…
そう思うと同時に脳裏に唖然とした表情を浮かべる西園寺が浮かんできて胸が痛んだ。
「それにしても都会の高校の文化祭はすげえなあ〜1日だけしかやらないのが勿体無いな。」
健太はきょろきょろとあたりを見渡しながら呑気にそう言った。
「そうだ、最後に私のクラスのお化け屋敷に行かない?ちょっと待つかもしれないけど。」
色々な出店を3人で回った後、シフト交代の時間が迫る紡木がそう提案すると2人も「いいね!」と賛同した。
そして紡木が言った通り少し待った後、3人の順番が回ってきた。
「じゃあ、行ってらっしゃい!」
「え?花奏は行かねえの!?」
「うん、だって中身知ってるし、2人で行っておいで。」
紡木はそう言って受付で2人を見送った。
2人は「わかった!」と返事した後、案内係に連れられて真っ暗な教室へと消えて行った。