西園寺先生は紡木さんに触れたい
泣き疲れていつの間にか寝てしまっていたらしい。
紡木は涙が乾いてパリパリになった目をゆっくり開けた。
それからゆっくり起き上がると、時計を確認した。
え、もう14時30分?
あともう少しで文化祭が終わっちゃうじゃん!
…ってかシフト!全然入れなかった…
皆に謝らないと!!
紡木は急いでベットから降りて教室へ向かった。
紡木が教室へ戻ると、保健室で休んでたことが知れ渡っていたのか、クラスメイトが次々に「大丈夫だった?」と声を掛けた。
紡木はそれに「シフトに穴を開けてごめんね。」と謝った。
「つむちゃん、大丈夫だった?」
由梨は紡木を見つけるなり不安げな表情でそう聞いた。
「大丈夫、急に消えてごめんね。」
「ううん、全然気にしないで。」
由梨がそう返すのと同時に、後夜祭の始まりを知らせる放送が校内に響いた。
クラスメイトたちが続々グラウンドに向かう中で、由梨と紡木も教室を出た。