囚われた花は、今日も愛でられる
防犯カメラの映像がなければ、警察は萌花の足取りを追えない。つまり、捜索をされても見つけてもらえる可能性はゼロに近いのだ。そのことに気付いた萌花は、絶望から涙を流しながらその場に座り込む。

「大丈夫。ちゃんと僕が寂しくないように愛してあげるからね」

萌花の目の前に和馬が微笑みながら座る。そして次の瞬間、萌花の唇は奪われていた。

「愛してるよ、萌花……」

王子に囚われた一輪の花は、狂った愛を与えられながら咲き続けるのだ。









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