雪の国の恋、とけない魔法
「いつも、わたし⋯⋯ 」
「ん? 」
「上手く話せなて、上月さんと、どうしたらいいんだろうって、だからそんな風に思ってもらっていたなんて、全然分からなかったです」
自信がなくて、恥ずかしくて、イマイチな自分だった。
「嫌われたくないから逃げてました。今回のスキーで、上月さんてやっぱり素敵だな、って何回も何回も思ってました。私も好きです、上月さんのこと好きです」
だからまだ、嘘みたいに思えてしまう。
「ホントに間違えてません? ホントに私? 」
「花梨の事なのに、まだオレの気持ちがちゃんと伝わってない? 」
ふたたび触れ合う唇、
「やっぱアイスクリームみたいだ」
と熱く溶かされるように、食べられるみたいだ。
こんなキスも。どんなキスも知らない、
「分かってる? 花梨のことだよ」
って囁かれて、これ、まさか魔法じゃないよねっと思いながら、溺れるように、上月さんだけになった夜⋯⋯ 。