幼なじみじゃ、いられない。

一人になったあたしは、軽くスマホをチェックして、店の外を見る。

日曜だし、お昼時だし、随分混み合っていて。

いつの間にか、お店の前には順番を待つ人の列まで出来ている。


早めに来て良かったな……なんて思いながら、目線を動かそうとした時だった。



視界の隅に入った人の姿に、ピタッと固まる。


それは、腕を組んで歩く一組のカップル。



お店の中と外で、かなりの距離がある。

数えきれないくらい、沢山の人がいる。


それなのに、一瞬で見つけてしまったその人は──大地くん。


その隣には、淡いピンクのワンピースを着た椎名さん。



大地くんが何かを話して、「ふふっ」と声が聞こえてきそうな雰囲気で、椎名さんが笑っている。



なんで、学校じゃないのにこんな時にまで……。


二人の様子にズキンと胸が痛むようで、目を逸らそうとした。

だけどその瞬間、



「っ……!」



大地くんがこっちに目を向けて あたしは反射的にパッと俯いた。


え、今、こっち……見た?


ドクンドクンとうるさい鼓動。


顔を上げるのが怖い。だけど、怖いもの見たさで気になって、そっと店の外へと目を向けようとした……その時。
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