幼なじみじゃ、いられない。
「藤沢くん、おはよう!」
「また同じクラスだね!」
次の瞬間には、大地くんを取り囲む女子達の声。
相変わらず凄いな……なんて思いながら、あたしはそのまま椅子に座った。
どうしてこのタイミングで同じクラスになっちゃうんだろう。
しかも、出席番号が前後とか……。
自然とギュッと手に力が入る。
大地くんと会うのは、あたしの誕生日だった“あの日”以来。
“あれ”以来、あたしはずっと大地くんに会わないように、必死に彼を避けて過ごしていた。
“あれ”は、きっと何かの間違い。
もう二度と顔を合わさなければ、忘れられる。
流した涙と一緒に、全部なかったことにすると決めた。
それなのに──。
「藤沢くんは春休み何してたの?」
「ねえねえ、今日の放課後遊ぼうよ」
どんどん近くなる女子達の声。
大地くんの声はしないけど、必死に話かける女子達の声で、こっちに向かって来ていることは分かる。そして、
ドサッとすぐ後ろで荷物を置く音がして。
大地くんが後ろにいる、それだけでドクンドクンとあたしの鼓動は大きくなる。