幼なじみじゃ、いられない。

手が、勝手に震える。


どうしよう、もう少し佳穂ちゃん達と一緒に居れば良かった。

今からでも……ううん、もうすぐチャイムが鳴る。


だったら早く時間が過ぎてと、祈るような気持ちになった時だった。


「ひな」


突然、呼ばれた名前。


さっきまで騒がしかった女子達が、急にしんと静まり返る。


「おーい、ひな、シカト?」


この教室であたしのことをそんな風に呼ぶのは、真後ろに座るあの人しかいない。

でも、なんで……。


さっきよりも手が震えている。

本当は反応なんかしたくない。、

だけど、教室でこんなの無視するわけにはいかなくて、あたしはゆっくりと振り返った。

すると、


「やっとこっち向いたし」


真後ろの席に座る大地くんはフッと鼻で笑って、


「同じクラスとか、何年振り?これからよろしくな」


にっこりと満面の笑顔を浮かべて、あたしに言った。
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