幼なじみじゃ、いられない。

「……や、優しくなんかないよ、全然」

「そう?昨日ひなちゃんが保健室に行った後も気にかけてたっぽくて、荷物持って行ったり優しいなぁって思ったけど」

「それは……同じクラスだし、知り合いだし、席も近いからでしょ」


きっと倒れたのがあたしじゃなくても、大地くんは同じようにした……と、思う。


そんなあたしの言葉に「えー……」と、納得出来なさそうな声を上げる美波ちゃん。


「でもさ」


頭を少し下げて、小さく手招きをして美波ちゃんはあたしを呼んだ。


「ひなちゃんって、藤沢くんのこと好きじゃなかった?」


他の人達に聞こえないように、小声で言われた言葉に、ドキッと鼓動が跳ねる。


純粋な目で、じっとあたしを見つめて首を傾げる美波ちゃん。


「そう、だね……」


子どもの頃、それこそ素直に簡単に、『好き』だと口にしていた。

周りに隠しきれないくらい、大地くんのことが大好きだった。


大地くんが冷たくなって、あたしの存在なんて忘れた様子でも、ずっとずっと……好きだった。


でも、今は──。

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