無気力幼馴染は、家では私の世話係。
にしても、本当髪の毛がさらさらだ。

手を伸ばして由宇の黒髪を触る。


「んん……すず?」


どうやら眠りの王子様は目覚めたらしい。


「おはよう、由宇。」


由宇の髪の毛から手を離し、机の脇に下げてあった鞄を持つ。


「ん……はよ。」


目をゴシゴシ擦っている由宇は少しだけ幼く見えた。


「じゃあ、私帰るから。」


「俺、すずを待ってたんだけど。」


「え、そうなの?」


てっきり彼女か誰かを待っているのかと思ってけど、違うようだ。
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