地獄で待ってて
そしてまた、彼女の目から雨が降り始める。
「うっ、うん、まっ、待ってる」
「私、待ってる」
「何百年でも何千年でも、」
「そんなに生きれるかな」
私は彼女の涙を服の袖口で拭き取る。
「私、待ってるね」
「ここで、地獄でずっと待ってる」
「うん、待ってて」
「約束」
私は小指を出すと彼女も小指を出して私の小指に絡ませる。
「うん、約束」
彼女と私の体温が寒い雪の中溶け合った。
「じゃあ、その日までさよなら」
「うん。さよなら」
その言葉を最後に辺りは真っ白になる。
「―― あっ、」
彼女の眩しい笑顔が光の中に消え去った。