記念写真を一枚
「あ、つとむ、くん」


ゴソゴソ探し回っていると、机の影から豚平がひょっこり顔を出してきた。

その姿に少し安心しつつ、現状確認をする。


「取り敢えず、他の人呼んできますね」

「……あ……おん。せやな」


もごもごと何か言いたげにしているので少しここに留まっていたら、服の裾を遠慮がちに掴まれた。


立っていたままではあれなので、自分も彼の近くに座る。

より一層豚平さんの顔がぼんやりと見えて、どうすればいいか分からなくなる。


「……暗いのが、怖いねん」

「えぇっっっ?」


衝撃的で思わず変な声が出たが、そこはどうでもいい。



暗くてよく見えなかったが、瞳はあっちこっちバラバラに動いていて視線が合わず、どこか不安そうにも見えた。


「意外なんすけど」

「そらぁ、なあ。幽霊とか妖怪は信じないからな」
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