憧れのあなたとの再会は私の運命を変えました~ハッピーウェディングは御曹司との偽装恋愛から始まる~
『今はそこまでまだ決まってない。でも2人でよく考えて1番良い方向で進めるから安心して』


千隼先生…


微笑んでる顔が本当に穏やかで優しくて。


きっと、ご両親の喜ぶ姿にホッとしたんだろうな。


こんな嘘、とりあえず今は安心させるのが目的だとしても、ずっとは続かない。


この嘘の終わりは、先生にちゃんとした新しい彼女が出来る時。


そしたら今度こそ、ご両親は心の底から安心出来るんだ。


だったら大丈夫だよ、うん、大丈夫。


それまでの間だけ…


例えほんの短い間でも、私は千隼先生の彼女で居られるんだ。


偽物だけど、先生の近くにいられることは、やっぱりすごく嬉しいことだよね。


私は、ご両親と千隼先生とみんなで食事をして、しばらく時間を共に過ごし、またお会いする約束をして…そして、お礼を言って別れた。


ご両親の優しい気持ちに触れることが出来て、私は今日のこの出会いに心から感謝した。
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