憧れのあなたとの再会は私の運命を変えました~ハッピーウェディングは御曹司との偽装恋愛から始まる~
『ありがとうございます』


先輩はそのまま仕事に戻った。


何がどうなってるのか?


いったいどういうつもりなんだろう?


しばらくして、レストランから出て休憩室に向かう途中、美穂先輩と会った。


ちょっと…気まずい。


『恭介君!探してたの。ねえ、明日、予定空いてない?』


明るい笑顔で俺に言った。


『明日…明日はちょっと…』


自分でも歯切れの悪い返事だと思った。


『そっか。予定…あるんだ。もしかして彼女とか?』


『あ、いえ。ちょっと…』


『恭介君、さっきから「ちょっと」ばっかり言ってる。ハッキリ言って』


甘えたようなすねたような…この状況、結構つらいな。


『あ…えっと…』


『恭介君。明日ね、私の誕生日なんだ。だから一緒にいて欲しくて…ダメかな?』


『美穂先輩、明日誕生日なんですね。それはおめでとうございます。でも、すみません…』
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