憧れのあなたとの再会は私の運命を変えました~ハッピーウェディングは御曹司との偽装恋愛から始まる~
『千隼先生…』


その言葉でさっきの沈んだ気持ちは…フッと、どこかに消えた。


落ち込んだりホッとしたり、この忙しい感情に自分自身追いつかない。


魅力があるなんてお世辞だってわかる。


だけど、昔と変わってない私が目の前にいて、やっぱり懐かしくて嬉しいってことだよね。


自分の青春時代を思い出すことが出来るから…


先生の懐かしくて優しい思い出の中で、私はずっとそのままの私でいられる。


何だかそれもまた、素敵なことだと思えた。


『悪い、話過ぎたな。もう戻るよ』


千隼先生は席を立った。


『あの、食事はしないんですか?何も食べてないですよね』


『いいんだ。ここに入ったら君がいたから…つい話しかけてしまって。里桜ちゃんの休憩時間、邪魔したな、申し訳ない。じゃあ、また連絡する』


そのまま千隼先生はレストランを出て行ってしまった。
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