先輩と甘い初恋はじめました。

緊張しているのか、声が少し震えた。


なんで。


なんで声が震えるの。先輩ともう関わらなくていいんだよ。なのに………。



「え………なんで?もしかして、俺のこと嫌いになった?」


「嫌いとかじゃなくてですね………」



キッパリと言い放った私を見て明らかに動揺する先輩。


そんな先輩を見て、私の方が固まってしまった。


まさか、そんな態度を取られるとは思わなかっから。てっきり、すぐに性格を出してくるかと。



「誰かに、なんか言われた?」



うっ…………。


図星です。律貴先輩、意外と鋭い。なんの躊躇いもなく私に疑問をぶつけてきた。由香から話を聞いたこともあるんだけど………。



「あの、私そもそも先輩のこと、よく知らないんです。なんで私を知ってるのかとかも………。後、女子バスに小林由香って、いるの知ってますか?」


「あー、あの子ね。知ってるよ」
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