そんな裏設定知りません! 冷酷パパから結婚を申し込まれましたが、これって破滅フラグですか?
歓迎ドリンクのワゴンは閑散としているが、ケーキの方は新入生たちが列をなしている。
ソフィアも心の中でイルバクトにごめんなさいと謝ってから、飲み半端のグラスがたくさん置かれているカートワゴンにそっとグラスを置いた。
そのままケーキの列にソフィアが並ぼうとすると、ちょうどそこにクラウドもやって来て、ソフィアの後ろへ。
「さっきの歓迎ドリンク、面白い味だったね」
「……そ、そうね。あれ、健康に良いらしいわよ」
「そうだったのか。ならもう少し飲んでおけば良かったかな」
苦笑いするソフィアにクラウドは真面目な顔でそう述べた。
やっと自分たちの番まで来て、小さなフォークと共にケーキを受け取る。
ソフィアはそれをパクリとひと口で食べて、口の中に広がった甘さに目を輝かせた。
「……そう言えば、ゼノン国王は? 姿がないけど」
「イルバクト学長と話をされているわ」
ステンドグラスの鮮やかな光が差し込む場所で、ふたりは穏やかな面持ちで話をしていて、見ているソフィアまで気持ちが温かくなっていく。
それから、図書室の話をし始めたところで、「クラウド様」と初めて会った時も彼のそばにいたあの執事がやってきて何か耳打ちをした。