そんな裏設定知りません! 冷酷パパから結婚を申し込まれましたが、これって破滅フラグですか?
「すまない、挨拶をしに行かないといけないらしい」
「王子様は大変ね。行ってらっしゃい」
申し訳なさそうに切り出され、ソフィアは笑顔でクラウドを見送る。
遠ざかっていくクラウドの背中を見つつ、そういえばメレディスはどこに行ったのかしらと思い至り、室内を見回し、息をのむ。
イルバクトが離れると、まるで見計らっていたかのようにメレディスがゼノンの元へと歩み寄っていったのだ。
それを見て、自然とソフィアの足が動き出す。
どうしてメレディスがゼノンを知っているのかと気になっていたのもあるが、何よりふたりっきりになるのが嫌だと思ってしまったのだ。
「二年ほど前お会いしております。メレディス・バンフィールドです。私のことを覚えていらっしゃいませんか?」
熱心に訴えかけるメレディスの声が聞こえ、ソフィアはふたりの少し手前で足を止める。
「会っている? 知らないな」
冷たく響いたゼノンの返事にメレディスが浮かべた悔しそうな顔、そして彼女が先ほど言った「二年ほど前」というひと言が、ソフィアの記憶を呼び起こす。
「あなた、お父様の妃候補のひとりね」