そんな裏設定知りません! 冷酷パパから結婚を申し込まれましたが、これって破滅フラグですか?


「……それで、中には何があったの? 金銀財宝?」

「そんなものはなかった。中庭でイルバクト先生が楽しそうに薬草の栽培をしてただけだ。それから薬草の栽培を手伝わされることになったから、入ったことを後悔したよ」

「金銀財宝ではなくても、イルバクト学長のお宝ってところはあっていたみたいね」


その時の記憶が蘇ってきたのか、うんざりと顔を顰めたゼノンがちょっぴり可愛らしく思え、ソフィアは笑みを浮かべる。

話をしながら寮が建ち並んでいる場所に戻ってきたところで、これから案内が始まるのか、寮長と思しき女子生徒を先頭に第二館からぞろぞろと新入生たちが出てきた。

その中にアルヴィンの姿があるのを見つけて、ソフィアは思わず手を振りかけたが、こちらに気づいたアルヴィンに不機嫌に睨まれてしまい動きを止める。

入学パーティーが始まる前に言葉を交わした時はいつも通りだったため、何かあったのかなと疑問に思う。

しかし、声をかけるよりも先に第二館の生徒たちと共に出発してしまい、それを聞くことは叶わなかった。


「アルヴィン、ちょっと不機嫌だったわね。どうしたのかしら」

「何か父親にでも言われたんじゃないか? 兄貴はいつも余計なひと言が多いから」


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