そんな裏設定知りません! 冷酷パパから結婚を申し込まれましたが、これって破滅フラグですか?
「建物の中に何があるのかまで知っているの?」
「……あぁ、知ってる。気になったから中に入って、この目で見たから」
「イルバクト学長に中に入れてもらったの?」
「いや。無断で入った……まぁ中で、イルバクト先生と鉢合わせて驚かれたけど」
無関心な性格かと思っていたけれど、意外に好奇心旺盛なのねとソフィアはこっそり微笑む。
とは言え、無断で入れたのなら、ゼノンが学生だった頃に巨大な狼はいなかったのだろうなと考えたが、すぐにそうではないと知ることになる。
ゆっくりと狼の視線の先を通り過ぎようとした時、それまで上げ続けてきた唸り声がぴたりと止む。
それだけでなく、急に狼は怯えたような仕草までし始めたため、どうしたのかと思えば、ゼノンがポツリと呟いた。
「相変わらず五月蝿い犬だ」
犬ではなく狼じゃと突っ込みたくもなるが、狼はゼノンに対して怯えているのだと気が付き、そこから過去に何かあったのだろうと推測すると、なんだか狼が気の毒にも思えてくる。
謎の建物が見えなくなるまで進んだ所で、ソフィアはこっそり問いかけた。