そんな裏設定知りません! 冷酷パパから結婚を申し込まれましたが、これって破滅フラグですか?
五章

ミルドフキローアカデミーに入学し、もうすぐ三ヶ月が経とうとしている。


「おはよう」


朝の微睡でぼやけていた視界が、掛けられた声によって一気に覚醒する。

至近距離にあるゼノンの美麗な顔に「うっ、あっ、ちょっ」とソフィアは言葉になっていない叫びをあげて、がばりとベッドから身を起こす。

その距離の近さにソフィアは何事と混乱するが、自分に添い寝でもしていたかのようにベッドに横たわっているゼノンの姿を見下ろしていると、だんだん冷静になっていく。


「お父様! 私のベッドには入ってこないでねって、昨晩も約束したじゃない!」

「……確かに言われたが、約束は交わしていない」


何度も試しているのだが、ぴったりとくっついているベッドはソフィアの力では簡単に動かす事ができない。

なんとかベッドを離すことに成功しても、翌朝にはゼノンによって元に戻されてしまう。

そのためゼノンが王宮に帰らない日は、ソフィアは毎晩寝る前に「私のベッドには入ってこないように!」と散々念を押す。

しかし大抵は、こうして近距離で寝顔を見られながらの起床となるのだ。

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