そんな裏設定知りません! 冷酷パパから結婚を申し込まれましたが、これって破滅フラグですか?
モーガンが感情を露わにして怒鳴り散らせば、周囲はその迫力に体を竦ませる。
しかし、ゼノンは全く感情を乱されることなく、むしろ煽るように薄ら笑いをしてみせた。
「そんなに俺を王座から引き下ろしたいか。直接殺しに来ればいいものを。何をまわりくどいことを。自分の手を汚さずに周りの人間を使って物事を進めようだなんて姑息なことをするから、兄さんは俺に勝てないんだよ」
完全にゼノンの態度が気に障ったらしく、モーガンは「貴様」と苦々しく吐き捨てる。
そして、懐から短剣を取り出し、ゼノンに向かっていった。
「お前は王の器じゃない。王座は俺にこそふさわしい。さっさとその座を引き渡せ!」
しかし、ゼノンにたどり着くよりも先にモーガンの足に氷柱が突き刺さる。
その場に崩れ落ちたモーガンが、悲痛な声を上げた。
「さっき兄上が言っていたように、俺も闇の魔力で人の心くらい操れる。だが、今回の件は俺じゃない。それは……俺ならこうするからだ」
ニヤリと笑ったゼノンの瞳の黒が濃く輝き出す。
そしてふわりとその体から黒い影も放たれた。
禍々しさにソフィアは恐怖に狼狽えて、さっきの闇の魔力とは明らかに能力値に差があるわと感じ取る。