そんな裏設定知りません! 冷酷パパから結婚を申し込まれましたが、これって破滅フラグですか?
クローゼットに背中を打ち付けて、ハンナは痛みに顔を歪ませるも、すぐに鋭くルイスを睨みつける。
「お前は、アルヴィン様の教育係だな。それ以上姫様に近づくな!」
怒りで声を震わせるハンナを見るのは初めて、ソフィアはポカンと口を開けて驚く。
しかし、誤解しているのは明らかで、すぐにソフィアはベッドを降りて、両手を降って否定する。
「ハンナ、違うわ。ルイスさんは不審者じゃない。逆に助けてもらったの、恩人よ」
「……姫様を助けたとは?」
まだ完全に警戒を解いてはいない様子だが、ハンナは問いかけながら床に落とした鞘に短剣を収めた。
どういうことでしょうかと眼差しで訴えかけられ、ソフィアは口ごもる。
白馬を治癒したついさっきの出来事を説明して、信じてもらえるかどうか自信がなかったのだ。
「ソフィア姫はもう少し大人しい方だと存じておりましたが……違ったようですな。とんだじゃじゃ馬姫だ。さすがあの親の娘と言うべきか」
最後だけ少し面白がるような響きを含ませてそう言ってから、ルイスはゆっくりと戸口に向かって歩き出した。
そのまま部屋を出ていってしまいそうな様子に、ソフィアは慌てて声をかける。